現場の人の動きの可視化で、製造原価の中の今まで見えていなかった部分が見えるようになり、今までできなかった改善ができるようになります。現場と管理者が一体となって行った業務効率化をご紹介します。

株式会社和光製作所鳥取工場

現場の改善に取り掛かる前に、まずは「客観的なデータ」で現場を把握

Point

  • 今の管理手法で、ホントの現場を把握できているか?
  • KKD(経験・勘・度胸)による決断から、客観的データによる判断へ

導入の背景

生産体制が、昔ながらのままの管理になっており、利益が出ているかどうかよりも、納期に間に合わせること、たくさん作ることが優先で、日々生産現場の情報収集に追われる毎日でした。利益が出ているかどうかも試算表を見てやっと分かる程度。なかなか「利益が出るようにするための改善」ができませんでした。余分な材料仕入れ、たくさん作る無駄、無駄な残業など、改善したいことはたくさんありましたが、どれから手を付ければよいかわからない状態でした。

ProcessViewerでは、「誰が」「何時間」「どの作業を」行ったかが把握できますので、作業者の動きを把握できるのと同時に、設計部門の私にとっては、これまで経験と勘に頼っていた見積書作成の際の工数把握が容易になるのではないかと思い、導入を試みました。

運用の効果

まずは、実際に現場のみなさんがスマートフォンのボタンを押してくれるかどうかが心配でした。見積書作成が迅速になり、精度が上がることで、みなさんにやってもらう仕事が儲からない仕事にならない、これまで取り損ねていた仕事を取ることがようになることなど、作業者に理解をもらう話を繰り返しながら、取り組んでもらいました。

これまでは、新規の見積書作成のために、紙の日報から過去の作業工数を収集、確認するのに1時間、電卓やExcelを使い集計して、工数を決定するまでに、さらに1時間かかっていました。また、これらを全ての見積り作成で行う時間はありませんので、結局経験と勘に頼ることが多くありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ProcessViewerの運用により、工数決定まで10分程度で完了するようになり、大幅な時間短縮になりました。

また、これまで経験と勘に頼っていた工数が、精度の高いデータになり、生産が終わるまで儲かるかどうか心配という状況が激減し、自信をもって提出できる見積書が作成できるようになりました。

ProcessViewer導入時、スマートフォンに作業のボタンを作成するには、マスタデータを作成する必要があります。今まで経験がなかったため、これは少し大変な作業でしたが、誰がどんな作業を行っているのかが明確になり、業務の整理整頓を行うことができたことと、社員も時間に対し、これまで以上に意識が高くなったのがよくわかりました。

目指す姿

作業工数のデータの精度が上がったことで、製造原価を把握するための有効な補助ツールになっています。

業務の整理整頓も行うことができたので、今後は、リードタイム短縮をするための活動も進めていくことができそうです。また、現場の管理者もProcessViewerを利用することで、人の管理を客観的に行うことができるので、経験と勘に頼る部分も生かしながら、若手管理者の育成を進めていきたいと思っています。